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たった一つの逆目線が、就活を有利にする。

就職活動は、誰にとっても、人生の一大事で、

自分をアピールしないと!
自分を知ってもらわないと!
自分が頑張らないと!

と、強く自分を意識するのは当然なのですが、そこで、ある「逆目線」を持つことで、一気に就活を有利にすすめることができます。それを教えてくれたのが、『自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術』です。

「自分目線」から「相手目線」への転換が、道を開く

昔の商人ふうにいえば「働く」とは、「はた」を「楽」にするのであって、みずからが楽しむのは娯楽です。…(中略)…自分が汗を流したぶん、まわりの人が楽になったり、喜んだりする。その対価として所得があると考えるのが自然だと思います。

福澤徹三『自分に適した仕事がないと思ったら読む本』より

つまりは、どんなに自分をアピールし、自分の能力を知ってもらい、自分が頑張ったとても、会社の採用担当者が、あなたのアピールにピンと来ず、あなたの能力がわからず、あなたの頑張りが伝わらなかったら、あなたを採用して得をすると思えず、採用しにくいということです。

そのため、この本では「常に相手の立場で考える」ことが大事だと説きます。

「自分目線」から「相手目線」への逆転こそが、就活を有利にするのです。

求人情報で、相手目線で会社の事情を知る

世の中、どんなことにも表と裏があります。

求人情報でも、相手目線、すなわち会社や人事担当者の立場に立って、会社の事情を考えることで、求人情報の裏をある程度、推測することができます。

求人求職での相手目線

人気企業は、待遇に注意

自分が「面白そう」「魅力的」と思える会社は、他にもそう思う人が多い可能性があります。

人気企業の側に立って考えると、給料は安い、残業は多い、休みは少ない、会社の空気も悪い…それでも、どんどん人が集まる。だから、待遇や条件を良くしようと、なかなか思わないかもしれません。

逆に、「地味でつまらなそうだなぁ」というイメージの会社は、他の人もそう思ってる可能性があります。人気がない会社の立場に立ってみると、給料が良かったり、残業が少なかったり、休みが多かったりと、社員をつなぎとめるために、待遇が良い可能性があります

もちろん、必ずしもそうだとは言えませんが、そういう傾向が当てはまる会社も多いのです。

求人情報をよく見かける会社も、要注意

求人情報が、あちこちで、よく目に付く会社は、数多く社員募集をしていて、採用されやすそうです。

しかし、待遇や仕事環境が悪くて社員がすぐやめてしまう会社の立場に立ってみると、ひんぱんに求人情報を出して、絶えず人を雇う必要があるだけかもしれません。探す努力をせずに、安易に目に付く求人に飛びつくと、後で後悔する可能性があるので、よく裏を探る必要があるでしょう。

逆に、地味でわかりにくい求人情報を出したり、あるいは、求人情報を表に出してない会社さえあります。「是非入社したい!」という人が多く、強い魅力がある会社の立場に立ってみればわずかな求人情報を出すだけで熱心な人が集まるし、積極的に職探しをしている人を欲しいと思っていたりします。

福澤徹三氏によると、かつてグーグル社は、道路沿いに数学の難問と「.com」の表示があるだけの広告を出し、それを解いてアクセスするとまた数学の問題があり、それを解くと求人情報に行きあたる…というような仕掛けをしたそうです。

それは極端にしても、求人情報を少ししか出してない会社や、全然出してない会社などは、他の人には探しにくいだけに、宝の山なのかもしれません。

就活(履歴書、面接等)を有利にする相手目線

求人情報などで、目当ての会社を見つけた後、履歴書を書くのも、面接試験を受けるのにも、会社や人事担当者などの相手の立場に立って考えることで、就活を有利に進めることができます。

就活での相手目線

相手目線で、会社がほしがる人材に

就活する自分としては、まず、採用されたいし、できるだけ高い給料がほしいと思います。

しかし、会社の立場に立ってみると、人を1人雇うと、給料だけでなく、交通費、各種手当、社会保険料などを合わせて、給料の1.5~2倍かかります。それら人件費以上の働きをして会社に貢献してくれないと会社が維持できないわけで、「人件費以上の働きがほしい」と思っています。

自分の側としては、「自分に向いた仕事がほしい」と思っていても、会社の立場に立ってみると、人件費以上の働きができる「会社に向いた人材がほしい」わけです。

そのため、自分の長所や個性を知らせることは大事ですが、それが、会社にどう役立つかがわかるように伝える必要があります。

面接で「粘り強いタイプです」と言われても、主観的な自己申告になってしまいます。会社の立場に立ってみると、本当にどれだけ粘り強くて、どのように会社のために頑張ってくれるかは、まったくわかりません。

例えば「走るのが苦手でクラスでも遅い方だったのですが、問題があった自分の走法を分析して改善し、毎日、トレーニングを続けて、ついに念願の横浜マラソン出場を果たし、完走しました。」というような、粘り強さの具体例を示せると、会社の側も、あなたに課題解決能力と目標達成能力があることがわかります。(※マラソンは極端な例ですが)

「リーダーシップがあります」「社交的です」「和を大事にします」「ガッツと根性だけは誰にも負けません!」なども同様です。自分の能力を具体的な経験に基づいて、客観的にわかる根拠をもとに、会社にどう役立つかを示す必要があります

横並びでなく、相手目線で他人より一歩抜きんでる

就職活動や転職活動は、人生の中でも、滅多にやらないものなので、どうしても、普通のやり方で、ルールと常識を守って、落とされないように無難にすることに注意を払いがちになってしまいます。

しかし、会社や採用担当者の立場に立ってみると、普通の履歴書を書き、普通の面接対応をする普通の人ばかりで、大変、選びにくいのです。

福澤徹三氏は、資料請求や書類審査で、お礼の手紙を書いて添えることを勧めています。また、既製の履歴書ではなく、オリジナルの履歴書を作ったり、会社の社長に直接アタックしたり、一度落とされた会社にもう一度応募したりという掟破りの方法も紹介しています。

もちろん、時と場合と会社によるのですが、採用担当者も人間なので、他の人がやらない方法で、礼を尽くしたり、熱意を示したりしてくれれば、心が動くかもしれません。他の方法でダメなら、やってみる価値はあるでしょう。

誰にも迷惑をかけない方法であれば、多少型破りでも個性が明確となり、選ぶ決め手となりますし、ただ決められたルールや常識に従順な人よりも、あらゆる手を尽くし結果を出そうとする姿勢も評価されることもあります。

会社に入ってからも、常に相手目線が必要になる

ビジネスというのは、常にお客様の立場に立ってモノを見ることが必要になります。お客様が、お金を払いたくないモノやサービスは売れないからです。

また、会社の中でも、上司の立場、同僚の立場、部下の立場などに立って、自分を見れば、自分がどういう役割を求められているのかがわかり、その役割を果たし、組織のチームワークが、より強く発揮できるでしょう。

このように、会社に入ってからも、常に相手目線になることが必要になります。就活は、その第一歩と言えます。