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転職の決断を簡単にする自分へのたった一つの質問「もしも~」

前回、積極的な受け身の転職(求められる転職)では、

  1. チャンスを呼び込む(増やす)
  2. チャンスをつかむ
  3. チャンスを乗りこなして大きく育てる

の3つのステップがあり、それぞれで必要な力があるというお話をしました。

前々回は、転職先の会社や他人の紹介などから棚ぼたのように降って来る「求められる転職」が、日本の転職募集の3分の1も占めているというお話でした...

その3つのステップの中で、最も勇気と思い切りが必要となるのが、「2.チャンスをつかむ」ステップでしょう。それまで勤めてた仕事を辞め、新しい仕事を選択するには、大きな決断が必要な瞬間であり、散々悩むことでしょう。

しかし、決断せずに、まったくやりたくない仕事を、毎日、毎日、ずーっと我慢して、定年まで続けていくのは、苦痛というだけでなく、仕事上の成果も出せないでしょうし、「良い人生」とは、とても言えません。

自分の気持ちに素直になれば良いのでしょうが、転職には、大きなリスクもあれば、新しい仕事や環境に適応する努力も必要であり、それらが邪魔して、転職したい気持ちを無意識に抑えてしまい、自分の本心が分からなくなることもあります

そこで、仕事についての正直な自分の気持ちを聞いてみる質問が示してある本がありましたので、これを参考に考えてみます。

中越裕史『「天職」がわかる心理学 いまの仕事で心が満たされていますか?

自分がやりたい仕事を見つけるための「自分への質問」

自分が「好きなこと」「やりたいこと」は、いくつかの自分への質問をすると見つかることが多いようです。

「もし妖精があらわれて、あなたの願いをどんなものでも、3つだけ叶えてくれるとしたら、どんなことをお願いしますか?」

「3つの願いが叶い、ありあまるほどのお金を手に入れ、人間関係も問題なく、名誉も手に入れた。では、そのあとの人生、あなたは何をして生きていきますか?」

「もしもあたなが、いまの記憶を持ったまま生まれ変わったら…。今度はどんな仕事に就く人生を、歩んでみたいと思いますか?」

「人生を棒に振ってもいいのなら、どんな仕事をしてみたいですか?」

「三流でもいいと思ったとき、あなたは どんなことを仕事にしたいですか?」

中越裕史『「天職」がわかる心理学』より抜粋

こういった質問それぞれについての詳しい解説は、『「天職」がわかる心理学』のありますが、どの質問にも共通するのは、一旦、「もしも~」の世界を、考えることで、今のあなたが囚われてる様々な固定概念とか常識とか思い込みを外して、本心を引き出せることです。

「もしも~」の質問は、囚われていたものから解放する

今は、例えば…

  • お金が稼げないから、その仕事はイヤだ。
  • そんな仕事は、家族や友人にバカにされる
  • その仕事だと、恋人ができなそう結婚できなそう
  • そういう仕事は、社会的ステータスが低い
  • そんな仕事を選んだら、家族に迷惑をかける
  • 今、その仕事を選んだら、一生を棒に振ることになる。
  • わたしには才能がないから、その仕事はムリ。
  • わたしには、その仕事をやれる自信がない
  • その仕事は、失敗する可能性が高い。
  • わたしが、その仕事をどんなに頑張っても、一流にはなれない
  • そんな仕事は、現実的にムリだ。

というようなことに囚われて、自分がやりたい仕事を見失ってる可能性がありますが、空想の中の「もしも~」の世界に入ることで、「もし無条件になんでも選べるなら、どんな仕事が良いと自分で思ってるのか」が、わかるわけです。

冷静な判断を引き出す「もしも~」の質問

そうやって見つけた「自分が本当にやりたい仕事」に向かって、ただひたすら頑張って突き進めば良いとは、私は思いません。現実的にムリなことは、どうしてもあるからです。

しかし、今、自分がやってる仕事が、辛くて苦しくてどうしようもない時に、「もしも~」の世界を考える自分への質問は、現状に囚われず、冷静に長く広い目で見た転職の決断に力を発揮するのです。

「もしも~」の質問で、仕事を比較

人間は、どうしても目の前の現状だけを重視して、現状維持を選びがちです。

転職はしたいけど、今の仕事での身分の安定や安心感、安定した給料、これまで蓄積した経験やスキルなど、様々なことの方が重要な気がしてきます。

そこで、「今の仕事」と「転職候補」の仕事を比較して、

もしも、生まれ変わったら、どちらを「人生の仕事」として選びますか?

と、自分に質問を投げかけます。

転職の天秤

「もしも~」の質問で、人生を長い目で見つめる

そうすると、今の仕事を続けるメリットが、苦しさ、辛さ、つまらなさを何十年も我慢して、自分にとってより良い仕事を諦める理由になるかどうか、疑問も出て来るでしょう。

  • 今の仕事の方が給料は高いけど、社会に役立たないことを続けても良いのか?
  • 蓄積した経験やスキルも大事だけど、もっと自分の力を発揮できる仕事の方が大事ではないか?
  • 地位他人の目線を気にするより、自分が面白いと思える仕事の方が良くないか?
  • 慣れとかしがらみとかは、自分の人生の重大事ではないのではないか?
  • 身分の安定は大事だけど、チャレンジしない人生で、安定してつまらない仕事をして良いのか?

そうやって、思い浮かぶ疑問について一つ一つ考えても、「やはり、今の仕事を続けた方が良い」という結論になるかもしれません。それでも、この「もしも~」の質問で人生全体を見渡して判断する方が、現状の目の前のことに囚われて判断するよりも、はるかに良い判断ができるでしょう。

今の仕事を続けるか、それとも新しい仕事に転職するか。そのメリット、デメリットを、人生全体の長い目で見て、バランスよく考えられるようにしてくれるのが、「もしも~」の質問なのです。

いろんな「もしも~」の質問

ほかにも、

  • もしも、タイムマシンに乗って、十年前の自分にアドバイスできるなら?
  • もしも、自分の分身がいて、自由に選べるとしたら?
  • もしも、自分が死ぬ直前の自分に会って、後悔してないか聞けたなら?

というような自分の人生全体をイメージできるような質問を、考えてみるとよいかもしれませんね。

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