リオデジャネイロ 三景、三っつ目は、貧民街「ファベーラ」です。
3.ファベーラ(貧民街)
「ファベーラ」とは、貧しい人たちが、公有地などを不法占拠し、勝手に家を建てて住んでいるスラム街のことで、麻薬密売を行うマフィアが支配し、マフィア同士、あるいはマフィアと警察との間での銃撃戦も頻繁に起こるなど、犯罪が多発する地区らしいです。
私が行った2010年の頃のガイドブック『Lonely Planet Brazil』には、ファベーラに潜入取材したジャーナリストが、それまでに13人殺されて、バラバラ遺体で発見されたとか書いてあって、「そりゃぁ、えらい怖いところだなぁ。絶対行かないようにしないと」…と思ってました。実際、怖いんでしょう。
恐怖の貧民街も、ツアーで観光可能に
ところが、その同じ『Lonely Planet Brazil』に、ファベーラを訪れるツアーがあり、それに参加すれば安全だと書いてあり、びくびくながら、紹介している一つに、参加してみました。
ファベーラツアーMarcelo Armstrong(なぜかリンク切れ)
今は、沢山のファベーラツアーがあり、日本語のツアーもあるようです。
写真家 伊藤大輔と一緒にリオのファベーラを回るツアー
私が参加したファベーラツアーは、ファベーラの貧困対策の活動をしているNGOが実施していて、ファベーラの住民側からも信頼され、ツアーの収益は子供たちの教育に使われることもあって、ツアーが許容され、安全も確保されてるようでした。
こうしたファベーラツアーに参加せずに、個人でファベーラに入り込むのは大変危険です。
『シティ・オブ・ゴット』の世界! ブラジルのスラム街「ファベーラ」に入ってしまったらこうなった
意外と綺麗なファベーラの町並み
ファベーラツアーでは、ファベーラの中でも非常に限られたエリアにしか足を踏み入れません。それでも、一応、ホンモノのファベーラに入っていくわけです。
ファベーラでは、かなり建物が密集して建てられていて、かなりゴチャゴチャした印象はあるものの、汚い印象はありませんでした。 汚い場所には、案内しなかっただけなのでしょうが、こういう綺麗なところも多いのは確かでしょう。
ビリヤードが人気のようで、数多く、みかけました。
路地などに入ると、家の建物がカラフルに塗り分けられていて、あまり暗い印象はありません。
ファベーラの町中には、蜘蛛の巣以上の密度で電線が張り巡らされています。住民が、個人個人で電線を引っ張って盗電してるので、電線の数が多くなるのです。
上下が逆転したリオの町
日本人だと、長めが良い高台には金持ちが住み、貧乏人は低いところの下町に住む、と考えがちでしょうが、リオの町では、金持ちが下に住み、貧乏人が丘の上に住んでいます。
なので、ファベーラのから上の方を見上げると、ゴチャゴチャと密集した貧しい家々が見え、下の方を見下ろすと、金持ちたちが住む豪邸や高級マンションが見えるのです。
何かがわかるわけじゃないけれど…
正直言って、ファベーラツアーに参加して、ファベーラの様子をチラッと見たところで、リオやブラジルの社会の何かが、分かるわけではありませんが、世界のニュースに、より現実感と関心を持って、様々な世界の課題を考える大きなきっかけには、なるのではないでしょうか。
リオデジャネイロ三景、残りの二景は?